TEAM
TERUNOFUJI
lyrics
「コミック雑誌なんかILLかい」
「フキダシに引き出しに押し込めた22世紀のレクイエムが響くよ」
「世界は壊れかけのコミック・マーケットだから」
「コミック雑誌なんかILLかい」
「マンガになった僕が笑う マンガになった僕が叫ぶ マンガになった僕が泣いて 僕は白紙 吐くちを吐く マンガになった僕を描いて マンガになった僕を消して マンガになった僕を燃やす」
これらの歌詞から、ある漫画家の悲しみが現実化したようなストーリーになっている。いや、どちらかと言うと、マンガの中がその漫画家にとっての現実になっている。マンガの中に生きるマンガ家の人生を表現しているのではないだろうか。マンガ家はヒット作が出なければ、生活費さえまともに稼ぐのが難しい職種だと聞く。世に出ているヒット作品に比べて、マンガ家の人数は非常に多い。ヒット作が出ず、苦悩の日々を過ごすマンガ家も多いだろう。
「神に誓って紙に誓ってみな コミック・エイジの信仰」
「神に唾して神にペンしてみな アトミック・エイジの信仰」
「私は神になりたい」
これらの歌詞から、現実の世界を創造した神と、マンガの中の世界を創造する際に使われる紙を掛け合わせているようにみえる。マンガの中の世界(紙)を自在に創造できる自分を神に見立てているのではないだろうか。マンガとは、マンガ家が世界や設定、ストーリーなどを作品の全てを創造する必要がある。その作業を神が世界を創造した過程と重ね合わせているのだろう。
また、
「マンガになった僕が笑う マンガになった僕が叫ぶ マンガになった僕が泣いて 僕は白紙 吐くちを吐く マンガになった僕を描いて マンガになった僕を消して マンガになった僕を燃やす その手は誰のものなんだ」
「あすなろうマンガになろう 昨日もそう思った」
ここから、マンガ家は自分の創造した世界(マンガ)の中で生きたいという考えを持っている。ヒット作が出ず、生活するのが苦しいマンガ家にとってはマンガの中の理想の世界、設定、ストーリーで生きたくなるのも当然だろう。だが、しかし
「マンガになった僕を燃やす その手は誰のものなんだ」
燃やすのはそのマンガを読む読者だろう。
SFと音楽 松永天馬先生の講義をうけて